ノート すべては、この一冊から始まった。

〜「つもちゃんのひとりごと」10周年〜

「TUMOCHAN SoftWare. システムノート」と題された一冊の大学ノート。
今から15年前、高専4年生の時に何故かテキストエディタの開発をしていました。
その開発の進捗・課題を整理するために作ったのがこのノート。
しかし、いつしかこのノートにその時々の思いを綴るようになりました。
それが「つもちゃんのひとりごと」のルーツです。

そもそものノートの役割。

テキストエディタの開発は、当時の私にとっても相当難しいことでした。
その難しい課題に立ち向かうに当たり、昨日はどんな課題が克服できて、今の課題は何で、今日は何をする、というのをとりあえずノートに書いてみようと始めたのがこのノート。一番最初のページに開発目標がしっかり書かれており、開発中も何が課題として上がったのか逐一書いてあります。今読み返してみても、今よりきちんとしているなと自分に感心するほどです。
このノートを書きつつテキストエディタのアルゴリズムを考えるのは、授業中の恰好の暇つぶしツールだったのです。

初めて思いを綴った日。

外は雨がしとしとと降っている。
もう1時間目も終わりというのに外は暗く、街灯が点っている。
私は灯りが煌々と点る図書館から外を見た。
私は何を見ているのだろうか。
風景?
水たまり?
いや、もっと先にある何かを
私は見ているに違いない。
何故? 何故現実は私たちをいじめるのだろう。
何がそうさせているのだろう?
プライド?
それとも...
Nur du bist es, der mein Leid versteht.
(僕の悩みを理解するのは君だけだ。)
外はまだ雨が降り続いている。
1992.11.20(金) 13:10

ノートが始まって10日にして、こんな文章を綴っています。
15年経った今でも同じようなことを考え、進化していない自分に愕然とします。。。

日記の空白期間。

1994年4月、就職。
当然、会社では暇に任せてノートを書くというようなことは出来ず、自分の中では激動の時代であったにも関わらず、それを記録に残すということは出来ませんでした。それは、初めての本格的な一人暮らしと初めての本格的な仕事、社会人としての生活と通信という未知の世界の中で懸命に生きることに精一杯だった時代でした。

そして「つもちゃんのひとりごと」へ。

就職して3年経ち、生活や仕事にも慣れ、非常に重要な仕事も任されるようになってきた頃。
実家の親父の部屋で何気なく開いた、赤茶けた親父のアルバム。30年前の若かりし親父が誇りを持った仕事をし、プライベートも生き生きしていたことがハッキリと分かるそのアルバム。
そして、久しぶりに開いた自分の大学ノート。輝いていたけれども、どこかに穴を感じて悶々としていた学生時代の最後の1年と少しの感情が染み出してくる、そんなノート。
何か意味があるわけでもなく、その時感じたことをとりあえず残すということ。後で読むかどうかは分からないけれど、その時にどんなことがあって、どんなことを考えていたのか記録するということは、実は結構重要なんじゃないか。そんな思いから、「つもちゃんのひとりごと」は始まりました。

「ひとりごと」というスタイル。

そのタイトルにも表されているように、基本的には他人に読んでもらう前提で書いているものではなく、単なる「ひとりごと」を書き連ねるスタイルで続けています。
#ところどころ読者への問いかけもありますが・・・。
当時はブログという概念もありませんでしたが、既に手で文字を書くという習慣は無く、1年前から少しずつ作り始めていたWebの1つのコンテンツとしてスタートしました。
「ひとりごと」だったこともあり、当初は仕事系の愚痴も相当多く、読んだ方からも「愚痴ばかり」という感想をもらうことが多かったのですが、最近は、仕事系の話とは別の、その時々で思ったことを書くことが多くなってきました。
また、単に気が向いたときに書くというスタイルを続けています。毎日のように書くこともあれば、半月程度間を開けてしまうこともあります。「ひとりごと」というのは、そういうものだと思っています。でも、1ヶ月以上間を開けたことはこれまでにはまだありません。

10年間の変遷、そして次の10年へ向けた「ひとりごと」の意味。

自分で読み直してみると、自分の変化の無さに呆れるほど。
昔は怖い物知らずで、今では絶対に書けないことも書いていたりしますが、それを書かなくなったことぐらいが進化したポイントかも知れません。
ただ、読んで下さった方からお話を伺うと、異口同音に10年間で変わってきていると言われます。
そう感じられた方は、どう変わったのか、私に聞かせていただければ幸いです。
しかし、この10年何と無為に過ごしてきたことか。
後悔先に立たず、とはよく言ったものだけれど、ひとつひとつ新しいことを知るたびに、そう思います。もちろん、その時点で知らなかったことについて今更どうこう言っても詮のない話ですし、自分ではきっと、その時々でベストの道を歩んできたと信じたいです。
ただ、 就職したとき、「ひとりごと」を始めたとき、10年先のことは想像も出来ませんでした。
世紀末でさえ遠い先の出来事だったその頃。しかし、時は流れ、世紀をまたいでかなりの日時が経過しました。
今、10年先はどうなっているか、やはり全く想像できません。
しかし、これまでの10年とは比べものにならないぐらいの変化が、次の10年にはあるはずです。
気が向いたときに、そんなその時々での思いを、綴っていきたいと思います。

ホームページへもどる