家全体の消費電流を測る

きっかけ

2005年4月に家の換気扇を修理した際、漏電と思われる異常な電気の消費が発生し、さらに漏電しゃ断器が故障により作動しなかったという問題が発生した。
これをきっかけに、家でのAC100V商用電源の消費状況を常時把握しておくことに興味を持ち、システム構築を行った。

仕組み

分電盤の中に交流電流センサを仕込み、その出力電圧を PICNIC 経由でサーバから読みに行く。

分電盤へのセンサ実装状況
（左の漏電しゃ断器の上に白いセンサを実装）

交流電流センサ
電線を挟んで回路を切断することなく電流を計測することができるクランプメータで使われるようなクランプセンサを使用する。
FreeBSDからPICNICのデータを読むことについては、FreeBSDからPICNICを使うを参照。
消費電流の傾向を知るのが目的なので、精度は追求しない。
測定範囲: だいたい 0.6A ～ 20A 程度
常時サーバが動作しており、これらネットワーク機器の消費電流が0.6A程度あった（クランプメータで実測）ので、それ以下の計測はほとんど無いはず。

材料の調達

クランプセンサ
U_RD CTL-10-CLS（＠2,100円）
購入先: （有）東邦無線（秋葉原ラジオセンター内）
※出張のついでに立ち寄り、取り寄せ注文。送料940円が高かった・・・。
その他
- ダイオード 1SS133T ×4個
  なんでブリッジじゃないのか？というツッコミは無しです。
- 抵抗 1k ×1個
- 電解コンデンサ 100μ ×1個
- ラグ板 ×1枚
- コード ×20m

回路

U_RDの「技術情報」を参考に、超簡単な回路を作成した。

回路図

そもそもダイオード使ってその出力をそのまま使っている時点で、ダイオードによる順方向電圧降下により精度に疑問符が付くけれど、まぁアバウトでもいいや、ということで。
あと、結構リップル分があるので、コンデンサはもう少し大きい方がいいかも知れません。

回路実装状況

測定プログラム

算式
出力電圧　E0＝0.9・K・I0・RL / n (VDC)

E0: 出力電圧
0.9: VrmsVDC変換定数
n: 二次巻数（今回使用したセンサでは 3000）
K: 結合係数（特性図から読み取り、今回は0.97で計算）
I0: 測定電流
RL: 今回は1kΩ
測定方法
1秒おきに3回測定し、その平均値を取る。

測定プログラム

#include "picnic.h"
#include <stdio.h>

main()
{
        PICNIC *pn;
        int a,i;


        pn = PN_open("192.168.0.200", 10000, 10001, 10002);
        if(!pn){
                printf("PN_open error.\n");
                exit(1);
        }
        for (i=0; i<3; i++) {
                a += PN_adinp(pn, PICNIC_PORTA, 1, 0);
                sleep(1);
        }
        printf ("%.2f\n", (3000.0 * (float)a / 3.0 * (5.0 / 1024.0)) / (0.9 * 0.97 * 1000.0));
        PN_close(pn);
        return 0;
}

※PICNIC の A/Dコンバータは 5V / 10bit(1024)

結果

1分毎に上のプログラムで読み込んだデータをグラフ化するとこんな感じ。
機器の消費電力からして、大きく測定値が外れていることは無い様子。

矩形波みたいに見えるところ・・・冷蔵庫のコンプレッサ(約80W)の動作／停止
17:10頃から20分ほど・・・炊飯器(約300W)が作動
18:50頃から・・・デスクトップPCが作動
19:00頃から15分ほど・・・湯沸かしポット(約900W)が作動

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