きっぷ展示【端末発行の乗車券】

JRに関連した、通常入手可能なマルス・POS乗車券を展示しています。
なお、マルス券・POS券に関しては、「JRの切符収集情報ライブラリー」に非常に詳細な解説があります。
片道乗車券
普通の片道乗車券です。JR最南端の駅までのものを買ってみました。
(H16/07/20 指宿枕崎線 指宿駅)

  • 残念ながら券面に少し汚れが付いてしまいました。
  • 営業キロが100km未満なので、下車前途無効の記載があり、有効期間は1日です。
  • 日付の下にある番号はきっぷの番号です。実際には先頭の桁を除く「0021」の部分が番号で、先頭の「7」はチェック用に番号(21)を7で割った余りが付く場合が多いですが、この例では異なり、3で割った余り+7が付けられているようです。「-01」は枝番で、例えば往復乗車券のように複数枚が1式となる場合に使われます。
  • その横にある「(6- )」は、発売した会社を表し、6はJR九州を意味します。その他、1はJR北海道、2はJR東日本、3はJR東海、4はJR西日本、5はJR四国を表します。
  • その横の「C10」はキャンセルコードで、きっぷのキャンセルの際に誤キャンセルを防ぐために使用します。
駅名に線名が付いている例です。
(H13/12/02 信越本線 横川駅)

  • 同じ駅名の駅が複数ある場合は、線名の略を付けます。横川駅は、信越本線と山陽本線にあるため、信越本線の横川駅を示す(信)が付いています。山陽本線の横川駅の例は往復乗車券の項で示します。
  • 営業キロが100km未満なので、下車前途無効の記載があり有効期間は1日ですが、地方交通線を挟んでおり、運賃計算キロは100kmを超えています。
  • この例のきっぷの番号は、先頭の「3」はチェック用に番号(66)を7で割った余りが付いており、通常このような形となります。
  • キャンセルコードの横にある「経2」はシステムに登録してある経路のうち2番目のものを用いたことを示します。
宮島行きの片道乗車券です。JR宮島航路の通し乗車券も、当然購入可能です。
(H14/06/27 山陽本線 西広島駅)

  • 乗車券の文字の下の「□□□□□□□□・・・・」は、新幹線と在来線が別会社の区間を通過する場合にどちらを経由するかを示すものです。左4つは東京〜熱海間、中4つは米原〜新大阪間、右4つは新下関〜博多間を示し、「・」は該当区間無し、「■」は新幹線経由、「□」は在来線経由を示します。
  • 発売会社を示す「(4-タ)」の「タ」というのは、発売会社以外の旅客鉄道会社に関係するきっぷであることを示します。
  • 発行箇所の「MR」は、発行した端末の機種や番号を示します。このきっぷは、以前西広島駅にもあったMR2型端末の発売だったと思いますが、今となっては確認できません。
学割を使った片道乗車券です。私が学生当時のものですので、昔の緑色のものです。
(H03/01/15 山陽本線 新下関駅)

  • 右下に「学割」の記載がある他は通常の片道乗車券と同じです。
  • この緑色の券は、広島付近では平成11年前半頃まで使用された模様ですが、その後青色のものに変わっています。
  • この例では、発行箇所が単に「新下関駅発行」となっており、発行した端末の機種や番号に相当する部分が入っていません。
POS端末で発行した片道乗車券です。
(H18/04/29 某駅)

  • POS端末とは、乗車券の発行機能+α程度の機能しか持たない簡易型の端末で、中小の駅の窓口(「みどりの窓口」ではない)に導入されています。
  • POS端末で発行したものは、着駅の上に微妙に[西]のマークが付いていること、発行箇所が「○○駅001」のようになっている点がマルス券と大きく違う点です。
  • きっぷの番号はリセットされないようでかなり大きな番号になっています。また、何故か枝番が「-00」になっています。
  • この例では、幹在別線の制度を使って同じ駅に戻ってくる片道乗車券としてみましたが、POS端末が設置してあるような小駅は委託であることも多く、そのような駅で変にひねったきっぷを作成してもらうのも大変だと思います(実際、このきっぷも何度か出し直してもらい、大変お手数をおかけしました。)ので、発行駅は伏せさせていただきました。
往復乗車券

同じ区間を往復する場合には往復乗車券が用いられます。
(H14/08/15 山陽本線 横川駅)

  • 往復ですので、乗車券の文字の右側に「(ゆき)」「(かえり)」の記載があります。
  • 片道乗車券に示した駅名表記「(信)横川」に対し、この例では山陽本線の横川駅を示す「(陽)横川」になっています。
  • 往復割引が効かない場合は片道2枚との差異が分かりにくいですが、有効期間が片道の2倍となる点が異なります。この例では、片道で買うと有効期間は2日となります。往復で買うことで、片道×2では出来ない「行きは途中下車を繰り返しながら3日かけてゆっくり、帰りはさっと帰る」というような旅程を組むことが可能です。また、往復乗車券は2枚で1式ですので、例えば学割証を使う場合などは1枚でOKです。
  • この例のきっぷの番号の先頭の桁は7で割った余りではありません。場合によっては3で割った余り+7が記載されるようです。
  • 往復乗車券は2枚で1式ですので、きっぷの番号の枝番が「-01」「-02」となっています。また、値段の欄も「かえり」券に一括で書かれています。
  • 発行箇所の「#」は、MR12型を示すようです。(詳細は未確認です。)

片道600km以上の場合は往復割引が適用され、「復割」の記載が追加されます。
(H18/04/22 山陽本線 広島駅)

  • 左上の「C制」とは、クレジットカード決済したことを示します。払い戻しの取り扱いが現金払いと違うためにこのような記載があります。
  • 経由欄の東京側は、以前は東京駅経由を示す「東京」が含まれ、例えば「ゆき」ですと「広島・新幹線・東京」となっていましたが、新幹線品川駅の開業に伴い品川経由も可能となったため「東京」の表記が省かれるようになりました。
  • 発行箇所が特徴的です。このきっぷは、JR西日本のインターネット予約「e5489」で予約・購入したもので、発行箇所はe5489の予約センターである神戸予約センターとなっており、日付の下にあるきっぷの番号も神戸予約センターの番号となっています。すなわち、予約・決済した時点で実はきっぷが発行されていることを示しています。
  • 一番下の行に、実際にこのきっぷを印刷した日付、端末「広島駅US1」、その端末における番号が記載されています。「広島駅US1」端末は、広島駅新幹線口に2006年3月頃設置された「みどりの受取機」(MV40型)の2台のうち左側のものです。(右側はUS2です。)
  • 夕方18:00頃に受け取ったのですが、受取端末でのきっぷの番号が若く、まだ「みどりの受取機」の利用度はさほど高くないことが分かります。
  • クレジットカード決済の場合、キャンセルコードにクレジットカード処理用の「R***」というのが入ります。
連続乗車券

連続乗車券は、一般には馴染みの薄いものだと思います。
片道でも往復でもない、連続した2区間を乗車する場合(例えば一部経路が重複する場合など)に発売されます。
(H14/10/18 山陽本線 西広島駅)

  • 乗車券の文字の右側に「(連続1)」「(連続2)」の記載があります。
  • その右の「(幹)」は新幹線を経由することを示します。
  • 「乗変」とは乗車変更の意味で、使用前にきっぷの内容(区間など)を変更したことを表します。
  • 片道2枚との差異が分かりにくいですが、有効期間がそれぞれを片道きっぷで買った場合の有効期間の合計となる点が異なります。
  • このきっぷの発売方法は片道×2枚に類似しており、システム内で有効期間の計算が出来ないため手書きで補っています。また前述の連続「1」「2」の部分も手書きになっています。
  • 前述の発売方法の関係で、2枚1セットであるにも関わらずきっぷの番号の枝番が使われていません。
  • このきっぷのように、横幅が長いきっぷ(120mm券)は自動改札を通れません。下右に(×)の記号があるのは、自動改札を通れないことを示します。

自動改札を通れる連続乗車券の例です。
一連操作という端末操作で発売できます。最近はこの形態で発売されることが多くなった気がします。
(H17/01/19 山陽本線 西広島駅)

  • 「連続1」と「連続2」の接点は正確には金山駅(東海道本線・中央本線)ですが、それぞれ200km以上のため、特定都区市内制度が適用となり名古屋市内となっています。
  • 特定都区市内制度により「券面表示の都区市内各駅下車前途無効」の記載があります。ということは、これでは名古屋市内での途中下車は不可ということになりますので、行程には注意が必要かも知れません。
  • 経由の欄は、どこを経由するきっぷかを示します。連続1の経由に「中央東」「中央西」というものがありますが、システム上、中央本線は塩尻を境に「中央東」と「中央西」という別管理となっています。
  • 一連操作での発売のため、きっぷの番号は枝番が使われています。

一連操作で発売した連続乗車券ですが、連続1と2で券の大きさが違う例です。
(H17/01/19 山陽本線 西広島駅)

  • 「連続1」は、経由が長いために大きい120mm券で発券されたものと思われます。こちらは自動改札は通れません。
  • 「連続2」は、85mm券で発券されており、こちらは自動改札を通れます。
  • 「連続2」は、本来ならば特定都区市内制度が適用され、着駅は(陽)横川 ではなく[広]広島市内 になるはずです。しかし、一度広島駅を通過し、且つ広島駅で途中下車する予定があったため、紛らわしくないように明示的に(陽)横川駅行きとして発行してもらいました。これを「単駅指定」といいます。
  • 余談ですが、「連続2」は広島駅の自動改札で入場した後、徳山駅の自動改札で出場していますが、なぜか券面に出場の記録が印字されていません。
社線(私鉄)との連絡乗車券
JRの窓口で買った、JR→鹿島鉄道連絡の片道乗車券です。
(H18/04/14 常磐線 土浦駅)

  • JRと私鉄で連絡運輸の取り決めがされていれば、双方にまたがるきっぷを購入することができます。
  • 前述の取り決めにより、社線との連絡きっぷが買える範囲(発駅・着駅)は限定されています。
  • 経由欄の「石岡」は鹿島鉄道との連絡駅です。連絡駅しか明示されないので鹿島鉄道を経由するというのが分かりにくいです。
  • 「下車前途無効」の表記があります。接続駅(石岡)での下車でも前途無効になるのかどうか調べきれていませんが、無効になってしまうのならJR・社線別々に乗車券を購入した方が効力的にはいいような感じもしますが、一括で買えて購入の面倒が無いという点では連絡乗車券の方がいいような感じもします。
番外編ですが、鹿島臨海鉄道の窓口で買った、鹿島臨海鉄道→JR連絡の片道乗車券です。
(H18/04/14 鹿島臨海鉄道 新鉾田駅)

  • POS端末のようですが、ほとんどマルス券と同じような様式です。
  • 「新鉾田」の下に微妙に「水戸」と書いてあるのが接続駅を示しているようです。
  • 余談ですが、水戸〜東京山手線内は大都市近郊区間になっており、経由は特に指定されない代わり途中下車できず、有効期間も1日です。このきっぷの「下車前途無効」の表記や経由表記がその辺りを反映したものなのかどうか、研究の余地がありそうです。

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