RoBoCoN 2003 中国地区大会

会場で配られたパンフ

2003/10/27 23:00更新 Ver 0.9（全試合写真掲載・一部誤記修正）
全国大会出場校（広島商船Ａ）のロボット名が誤っておりました。謹んでお詫び申し上げます。
2003/10/27 12:10更新 Ver 0.3（ルール概要入り・一部修正版）
2003/10/26 22:50更新 Ver 0.2（一部写真入り版）
2003/10/26 17:37更新 Ver 0.1（現地編集超速報版＠宇部）

ルールの概要

今年は競技フィールドの詳細を作ってみました。

競技は赤・青の２チームで行う。両チームに与えられる課題は、自らアイデアを考えて製作した遠隔操縦のロボットで、競技フィールドに設置してある３台の回転する円盤にオブジェをつけ、円盤を自チーム側に（赤は反時計回りに、青は時計回りに）回転させること。
オブジェは、球と立方体の２種類。発泡スチロール製で、表面の一部に着脱自在テープが貼られ、競技フィールドの所定の位置に置かれている。円盤は直径1.8m、全面と側面には着脱自在テープが貼られ、オブジェが付くようになっている。
得点は、自チーム側に回転した円盤１台につき１点。競技終了時に得点の多いチームの勝ち。競技時間は３分間。
【本ページ筆者補足】

• 進入禁止ゾーンへの進入等の違反行為があった場合は、減点。
  
• 最終的な得点は、獲得した円盤数−減点となり、減点の方が多く得点がマイナスになる場合は０点とする。
  
• 得点が同点の場合は、円盤の回転角が大きい方を勝ちとする。
  
• それでも勝負がつかない場合は、審査員３名（山口大教授、宇部高専校長、NHK山口放送局長）の判定による。

出場チーム

中国地区各校から2チームずつ、計16チーム
出場チームの横顔（会場で配布のパンフレットから引用）

大会レポート

今年から（今更ながら）デジカメを導入し、画質が向上しました。相変わらず一部手ブレがありますが

会場となった宇部市武道館。
10月26日、12時過ぎには既に開場されていた。

心なしか、例年より観客が多いような気がします。

13時に開演。NHK広島の田中アナ、NHK山口の武内アナの司会でスタート。
チーム紹介、来賓挨拶、審査員の紹介、ルール紹介の後に競技開始。

• 一回戦
  • 徳山高専Ａ×津山高専Ａ
    
    左：徳山高専Ａ　右：津山高専Ａ
    
    箱の取り合い。
    
  • 呉高専Ａ×広島商船Ｂ
    
    左：呉高専Ａ　右：広島商船Ｂ
    
    シンプルなロボットがオブジェを取り付けようとする。
    
    広島商船Ｂは上から2つの円盤をゲット
    
  • 松江高専Ｂ×大島商船Ｂ
    
    左：松江高専Ａ　右：大島商船Ｂ
    
    試合終了時の状態
    
  • 宇部高専Ａ×米子高専Ａ
    
    左：宇部高専Ａ　右：米子高専Ａ
    
    双方、球形オブジェを打ち出す形態。
    打ち出したぞ！（左右の円盤の中央付近を飛行しているオブジェが写っている）
    
  • 呉高専Ｂ×松江高専Ａ
    
    左：呉高専Ｂ　右：松江高専Ａ
    
    呉高専Ｂによってばらばらに散乱させられた立方体オブジェを前に、松江高専Ａは打つ手無し。
    
  • 宇部高専Ｂ×大島商船Ａ
    
    左：宇部高専Ｂ　右：大島商船Ａ
    
    大島商船Ａはゆっくり、名前の如く「いもむし」のように階段を下り、そして上った。
    
  • 徳山高専Ｂ×米子高専Ｂ
    
    左：徳山高専Ｂ　右：米子高専Ｂ
    
    徳山高専Ｂはユニークな歩行(?)機構。
    
    徳山Ｂは、米子Ｂの獲得した進入禁止ゾーン上の円盤を取り返そうという戦略だった様子だが失敗に終わった。
    
  • 津山高専Ｂ×広島商船Ａ
    
    左：津山高専Ｂ　右：広島商船Ａ
    
    試合開始から45秒後、双方のリモコン用赤外線が混信するというハプニングにより試合が中断され、二回線第一試合の後で再試合となった。写真は、中断時の対応の協議の様子。
    
    再試合。
    広島商船Ａは、まず球形オブジェの中にビニール袋を挿入し、膨らませて球形オブジェを散乱させる。
    
    大量のオブジェを付着させ円盤に向かう津山Ｂ。
    
    しかし、あぁっと、津山Ｂは相手（青）側にオブジェを付着させてしまった！ その上残りのオブジェはあえなく落下。
    結局この自殺点が決勝点に。
    
• 二回戦
  • 徳山高専Ａ×広島商船Ｂ
    
    徳山高専Ａは、両側にオブジェを付着させた板を広げて円盤に付着させようとするが失敗。
    
    広島商船Ａは進入禁止ゾーンのオブジェを使って圧倒する。
    
  • 松江高専Ｂ×宇部高専Ａ
    
    宇部Ａはオブジェを打ち出すが、松江Ｂが上から円盤をゲット。
    
    試合終了時。
    宇部Ａは、写真では格納されている黒いマジックテープが付いたアームを用いてオブジェを取り、マシン本体のスリット(?)によりアームから外す。この辺の機構も面白い。
    
  • 呉高専Ｂ×宇部高専Ｂ
    
    シンプルな呉Ｂのマシンが円盤へオブジェを付ける。
    
    動きが速い宇部Ｂ、壇上の円盤をゲットした上で呉Ｂが取った円盤を取り返す。
    
  • 米子高専Ｂ×広島商船Ａ
    
    確実に進入禁止ゾーンでオブジェを取ろうとする米子Ｂ。
    
    広島商船Ａは数で勝負！
    
• 準決勝
  • 広島商船Ｂ×宇部高専Ａ
    
    競技ゾーンをフィールドに動く宇部Ａ、進入禁止ゾーンの米子Ｂ。
    対照的な戦い。
    
  • 宇部高専Ｂ×米子高専Ｂ
    
    両者、速攻で階段を下りた後、速攻で上り始めた。
    
    取られた円盤のオブジェを持って回転させることで自分の円盤にしようとする米子Ｂ。（試合後の実演中の写真。試合ではトライしたが出来なかった。）
    
• 決勝
  • 広島商船Ｂ×宇部高専Ｂ
    
    両者一旦階段を下り、そして上る。
    広島商船Ｂ、一瞬遅れる。
    
    先に上った宇部高専Ｂ、相手側のオブジェを崩し取りにくくする。
    
    広島商船Ｂ、上から円盤の側面をゲットしようとするも、あえなく失敗。
    この時点で既に宇部高専Ｂは中央の円盤をゲット済み。
    
    競技フィールドに下りた宇部高専Ｂ、着実にオブジェを円盤にくっつける。
    
    試合終了時の状況
    地元チームの優勝ということもあり、会場は歓声の渦。近年に無い盛り上がりでした。
    

表彰式が行われ、1時間17分も延びて17:17に終演。
＃なんか年々終演が遅くなっているような気が（笑）

結果

※コメントは、審査員のコメントをほぼそのまま掲載しました。

• 優勝
  宇部高専Ｂチーム「ぜんぶとっちゃうゾウ！」
  
• 準優勝
  広島商船Ｂチーム「ペンギンのトキメキ」
  
• アイデア賞
  広島商船Ａチーム「Paralyzer」
  オブジェをいったん散らしてから取り込み、打ち出すという奇想天外な仕組みが評価された。
• 技術賞
  米子高専Ｂチーム「Disc^-1」
  足回りのスムーズさ、ロボット全体・アームの動き・回転がスムーズで技術度が高いと評価された。
• デザイン賞
  大島商船Ｂチーム「機巧まるいち」
  かねてから木材を用いたものでの挑戦であり、その素材とボールの投げ方に素朴さと優しさを感じた。
• 特別賞（本田技研工業）
  広島商船Ａチーム「Paralyzer」
  
• 特別賞（中国電力）
  宇部高専Ｂチーム「ぜんぶとっちゃうゾウ！」
  
• 特別賞（マブチモーター）
  徳山高専Ｂチーム「Seite Vogel Drei」
  
• 特別賞（ソリッドワークス・ジャパン）
  松江高専Ｂチーム「鳥賊した奴」
  

全国大会出場チーム

• 宇部高専Ｂチーム「ぜんぶとっちゃうゾウ！」
  優勝チーム。
  
• 広島商船Ｂチーム「ペンギンのトキメキ」
  ※10/27 23:00 まで、ロボット名が誤っておりました。謹んでお詫び申し上げます。
  大接戦を展開し、その間の戦いぶりが潔かった。
  機動力が非常に優れたロボットであった。
  
• 米子高専Ｂチーム「Disc^-1」
  機動力の面、オブジェの取り込み、円盤へのオブジェの取り付けが技術的完成度が高かった。
  デザインも非常に良かった。

トーナメント表 判は審査員判定（3名の多数決）による勝ち、角は回転角が大きい方の勝ち。 n - m は、得点 n 点、減点 m 点（但し n - m が負の場合は0点とする）

全国大会

11月23日(日)　両国国技館

放送予定

中国地区大会

• 11月22日(土) 14:30〜15:29　NHK総合（中国地区限定）

全国大会

• 11月23日(日) 生放送　NHK教育
• 11月29日(土) 10:00〜11:30　デジタルハイビジョン
• 12月22日(月) 19:30〜20:43　NHK総合

最後に（所感）

今年は、ようやく地区大会入場方法などのPRが比較的適切に行われたのではないかと思う。
今後も折角の高専のPRの機会を有効に使えるように希望する。
競技では、減点理由の説明がほとんど無く、これが競技全体を分かりにくくしていたと思う。
ロボットの分類として、大きくは

• シンプルなアーム型
• オブジェを打ち出す型
• 大きな板にオブジェをくっつけて、円盤に押しつける型

といった分類が出来たと思う。多くのオブジェを一気に処理するより、少なくても確実に、そして足回りの性能が良いマシンが残ったという印象。そして、球形のオブジェより箱形オブジェを取り扱う方が有利だったという印象。
1回戦第8試合で赤外線混信による再試合が発生するなど、相変わらず制御系の問題は山積だと感じた。また、そういった場合の対処など、本当にこれで良かったのか？ という気はした。（他地域ではどうなんだろう？）